「ムツゴロウさん」の愛称で親しまれ、お茶の間からも愛された作家・畑正憲さんが2023年4月、亡くなったことが分かりました。死因は心筋梗塞で、葬儀などはすでに親族のみで営まれたとのことです。1980年、『ムツゴロウとゆかいな仲間たち』という看板番組で人気を博したムツゴロウさん。その後、映画『子猫物語』では監督を務めるなど、本業の作家以外にも様々な顔を持つ多彩な人物でしたね。そんなムツゴロウさんの、これまでの活躍と人気ぶりを振り返るとともに、ムツゴロウさんが遺した動物たちへの愛や、数々の功績についてご紹介していきたいと思います。
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意外と知らない！？ムツゴロウさんのプロフィール
- 生年月日：1935年4月17日
- 出身地：福岡県
- 出身大学：東京大学理学部生物学科
- 趣味：スポーツ観戦（野球、相撲）
- 職業：作家、エッセイスト、ナチュラリスト、動物研究家、プロ雀士
福岡県で生まれたムツゴロウさんは、医師だった父親に連れられ満州で育ちました。父親からは医師になるよう言われていたそうですが、東京大学理学部生物学科に進み、研究に没頭。それも、勉学に情熱を燃やすことなく、高校卒業後現役で合格するという秀才ぶりだったそうですよ。医者にも大臣にもなれたであろう聡明さを持ち合わせたムツゴロウさん。動物の研究に没頭していたかと思えば、突然文学に興味を示し、忽然と東大を去ったのだそうですよ。誰にもマネできない生き様を誇る、ムツゴロウさんなのでした。
ただの動物好きおじさんじゃなかった！
ムツゴロウさんといえば、動物を愛する優しいおじさんというイメージが強いのではないでしょうか。そのため、職業欄を見ても「動物研究家」という肩書にはピンと来ますよね。しかし、ムツゴロウさんはもともと作家であり、エッセイも出版しているほか、プロ雀士として最高顧問も務めていたほど。多方面で活躍してきた、まさにマルチな人物だったんですよ。
Youtubeチャンネルも持っていた！
2020年、ムツゴロウさんは自身のYoutubeチャンネルを開設。半生について語ったり、様々な動物との思い出話を語ったりする貴重な映像を残しました。「ムツゴロウ」の語呂合わせで、動画を656本アップロードすることを目標としていましたが、104本を投稿し最後となってしまいました。
人間を捨てる覚悟で動物と向き合ってきた
「動物とベタベタしているだけじゃないか」と批判されることもあったというムツゴロウさん。しかしムツゴロウさんは、動物とベタベタすることから何かを見つけようとしてきました。人間を捨てて、動物に一歩でも近づきたい。そんな思いで、真っすぐに動物と向き合ってきたのです。
ムツゴロウさんの功績を振り返ってみよう
北海道に「動物王国」を造る
1972年、北海道の無人島に身を移したムツゴロウさん。家族はもちろん、クマや馬も連れての移住だったそうです。そして、浜中町の丘陵地に「ムツゴロウ動物王国」を造りました。近くに自宅をかまえ、「ムツ牧場」という牧場も造っていたというムツゴロウさんは、80歳ごろまでは馬に乗るためたびたび訪れていたといいます。東京都あきる野市にも動物王国をオープンさせましたが、来園者数の低迷により3年あまりで閉園してしまったのだそうです。
ライオンに指を嚙み切られるも…
2000年、テレビ番組の収録中にライオンに指を嚙み切られたムツゴロウさんは、そのまま中指を失ってしまいます。なんとその場面も番組で放送し、恨み言は言わず「配慮が足りず、自分の不注意だった」と語っていましたよ。傷つけられても動物に対する愛情は消えず、まっすぐ向き合い、動物を愛し愛され続けてきました。
どんな動物に対しても責任を持つ人格者
親と離れ離れになったアザラシの赤ちゃんを保護した際、なかなかミルクを飲んでくれなかったことがあったそう。そこで、ムツゴロウさんはミルクをシャーベット状にして与えるというアイデアを思いつき、実行すると、アザラシの赤ちゃんはみるみる元気を取り戻していったのだそうです。氷をペロペロと舐めるアザラシの姿からヒントを得たということで、ムツゴロウさんがいかに普段から動物のことを考えていたかが窺える、心温まるエピソードですね。
麻雀では新たな位が創設されるほどの実力
日本プロ麻雀連盟の相談役も務めたムツゴロウさんは、最高顧問であり、初代十段位でもあります。実は、プロ麻雀連盟の最高位は九段。しかし、ムツゴロウさんがあまりにも強いので、九段以上の位が必要だということで、ムツゴロウさんのために「十段」が新たに創設されたのだとか！相当の麻雀好きだというムツゴロウさんは、なんと10日間も不眠不休で打ち続けたこともあったそうですよ。まさに、人間離れした頭脳の持ち主だったんですね。
最期は1匹の猫とともに…
自身も妻も高齢となり、先に逝ってしまうと責任が持てないからと、亡くなる直前は1匹の猫とともに生涯を全うしたムツゴロウさん。ベランダにたびたび顔を出すリスのことも、可愛がっていたそうですよ。
まとめ
動物が、テレビ番組の主人公になれる。今では当たり前になった、テレビ業界の常識も、ムツゴロウさんという偉大な人物が作り上げてきました。年齢を感じさせない、いつまでも元気な姿が今でも浮かんできますね。ムツゴロウさん 現在は芸能界からも、そして動物たちからも惜しまれながらその人生を全うし眠りにつきました。その活躍と功績は、ずっと語り継がれるべき財産となっていくでしょう。
