大ブーイング?スピンオフ放送の朝ドラ『ちむどんどん』の評価は?

今年4月から9月末までの半年間放送された朝ドラ『ちむどんどん』は、沖縄の本土復帰50年を記念して制作されましたよね。沖縄・やんばる村を故郷持ち、料理人になる夢を追う主人公と、強い絆で結ばれた両親・兄妹の待つふるさとがテーマになっていました。また、アメリカ統治下時代の情景も描かれており、朝ドラ史上初の試みが注目を浴びました。

毎朝SNSでは「#ちむどんどん反省会」が話題になるなど、ある意味で盛り上がった朝ドラ『ちむどんどん』を改めて振り返ってみましょう!

ネタバレ注意!ちむどんどん あらすじ

物語の始まりは1964年、沖縄のやんばる地方に主人公の家族が暮らしていました。プロの料理人を夢見る主人公の比嘉暢子は、沖縄が本土に返還された1972年に上京し、横浜のイタリア料理店で修業することになります。

そこでかつての幼なじみ・青柳和彦(宮沢氷魚)に再会し、婚約者がいる和彦に対し募る思いを抑えながら仕事に邁進する日々を送ります。数々の試練を乗り越え、ずっと結婚を認めなかった和彦の母親・重子(鈴木保奈美)をもてなし料理で説得させることに成功した暢子は、ずっと苦楽を共にしてきた和彦と結ばれました。

そして念願だった沖縄料理店「ちむどんどん」をオープンさせ、子宝にも恵まれ家族一丸となりちむどんどんは大繁盛。そんなとき、やんばるに里帰りした暢子家族は、沖縄での新鮮な野菜作りに「ちむどんどん(胸がワクワク)」します。家族でやんばるに移住することを決めるのです。

ちむどんどん キャスト

黒島結菜/比嘉暢子役

ヒロインは、ドラマの舞台となる沖縄県出身の黒島結菜さんが務めました。従来のオーディションは実施せず、直接のキャスティングで抜擢されたそう。小学生時代、沖縄にある那覇のレストランで食べた初めての料理に心を奪われ、料理人を目指し奮闘します。

竜星涼/比嘉賢秀役

暢子の兄で、自由奔放なお調子者。自分のことを「やんばる村の一番星」を名乗り、一攫千金を夢見たり素行の悪さから警察の世話になるなど、家族を困らせてきました。スピンオフドラマでスポットライトが当たる賢秀の生き様や変化にも注目が集まりましたね。

上白石萌歌/比嘉歌子役

暢子の妹。引っ込み思案で病弱でしたが、歌うことが大好きで、念願かなって食堂をオープンさせた姉の暢子に続き、自身も夢の民謡歌手になり大成します。スピンオフドラマでは、本編で結ばれた夫の砂川智(前田公輝)に片思いしていた頃の切ない恋愛模様が描かれ、視聴者の共感を得ました。

スピンオフ放送!視聴者の評価は?

健気な歌子の恋愛模様にキュン!「歌子慕情編」

内気な性格で、思いを寄せる智にも自分の気持ちを表現できずにいた歌子の切ない恋愛模様に、視聴者からは「本編を知っているほどキュンキュンする」と、もどかしくも応援が止まない声が多数上がりました。

本編ではめでたく結ばれた2人ですが、歌子の叶わぬ片思いを放っておけないあるアドバイザーが現れます。それは凛という小学生の女の子。実はこの凛を演じた布施愛織さんは、上白石萌歌さん演じる歌子の幼少期を演じていた子役だったのです。夢の共演にSNS上でも感動の嵐。結局、智は片思い中の暢子を追って上京してしまうなど、歌子にとっては甘酸っぱい恋の思い出となったこのスピンオフドラマ。

その後晴れて結ばれた2人の未来を思い、視聴者は大盛り上がりでした。

ニーニーの大暴れに視聴者ヒヤヒヤ「賢秀望郷編」

物語の序盤から雲行きが怪しかった、自由奔放なニーニーこと、暢子の兄の賢秀。真面目に働かず一攫千金を夢見る、だらしないお調子者でした。

素行の悪さで村でも有名だった賢秀は、誰彼構わずケンカ腰。なんと、暢子の就職希望先の関係者にもケンカをふっかけてしまったことも。そんな賢秀が一念発起して上京した先で、千恵子という女性に出会いました。ここで賢秀は、初めて真面目に働き彼女と結婚したいという思いに駆られます。しかし、千恵子は既婚者。離婚を考えているという千恵子をなんとか手に入れようと、暢子が働くイタリア料理店などあちこちへ仕事を求めに行きますが、どこも雇ってはくれません。そして思いも虚しく、千恵子は夫の元へ戻っていくのでした。

酷評も多かったちむどんどん 感想

沖縄本土返還に関する歴史の描写がない

ちむどんどんは、沖縄が日本に返還されて50周年を記念するドラマ企画でした。しかし、本土返還に関するエピソードなどは皆無。ナレーションのみで済まされてしまうという衝撃のスタートに、視聴者からは大ブーイングが起こったことも。公式ページでも「日本に返還されてからの比嘉家の物語」と謳っているだけあって、歴史的背景がテーマになったものではなかったようですね。

展開が飛び過ぎて理解が追い付かない

朝ドラは長期にわたり放送されるので、細かなエピソードや、一見不要と思われる描写を物語の伏線として含めることができるのもメリットの1つ。しかし、ちむどんどんでは場面の切り替わりが激しく、突然時代が変わってしまったり、問題が解決しないまま次の展開に進んでしまったりと、視聴者が置いて行かれてしまうこともたびたびありました。暢子の妹・歌子の病名なども明かされないまま治療が進んでいったりと、詳しい解説を求める声も多く上がりました。

沖縄の人への敬意が足りない

沖縄の本土返還がテーマということで、主人公の暢子は地元・沖縄から横浜へ上京しました。

そこで上京先の人が沖縄に対し見下すような発言をするなど、面白おかしく描かれているにもかかわらず視聴者側は全く笑えない展開も存在していたよう。物語の構成としても、田舎である沖縄のやんばるから都会へ旅立つ暢子の変化を描くために、都会と田舎を強調する表現は避けられなかったかもしれませんが、一部不快に感じる人もいたようです。

まとめ

半年間の放送を終え、先日スピンオフも放送された『ちむどんどん』。沖縄がアメリカ統治から解放され、日本に返還された歴史を風化させないために企画されたドラマでしたが、皆さんの目にはどう映りましたか?

夢を追うストーリー自体は視聴者の共感を呼び、役者陣も豪華な顔ぶれだっただけに、酷評が多い結果となったのは意外でしたね。それぞれのキャラクターを心から演じ切った素晴らしい役者のみなさんの、今後の作品も楽しみにしたいと思います。